古き良き日本を味わい、魅力満載の多彩なプログラムを体験できる観光地として、山梨県・身延の宿坊郡が国内外から注目されています。550年の歴史をもつ覚林坊では、湯葉料理、彫刻体験、お経体験などお寺ならではのユニークな文化を楽しむことができます。また、日本一の富士山を上空から望む遊覧ヘリ飛行は格別のものとして楽しまれています。歴史と自然に囲まれた特別な場所で「リアルジャパン」を味わい尽くしてみませんか。

目次

  1. 身延のローカルガストロノミー
  2. 覚林坊の寺ビール
  3. 一棟貸しの宿EBISUYA
  4. Minobuが誇る秀逸の体験プログラム&ツアー
    – 西嶋和紙でオリジナルワインラベルをつくろう
    仏像彫刻家から学ぶ彫刻体験
  5. “日本一の高さ、日本一の美しさを誇る富士山” 遊覧ヘリ飛行
  6. 「覚林坊」女将・樋口順子さんスペシャルインタビュー

関東随一の宿坊群である身延山。その山の中腹に宿坊として佇む「覚林坊」、そしてほど遠くないところに一棟貸しの宿「迎賓館えびす屋」がある。迎賓館えびす屋には「農カフェ」が併設され、地域が一体となってローカルガストロノミーを推進している。

その旗振り役は覚林坊の女将樋口純子さん。樋口さんは、地元の隠れた食の魅力を再発見し観光資源を掘り起こし、それに磨きをかけ新たなツアーや数々の体験プログラムを企画・プロデュースするオーガナイザーでもある。樋口さんは「そこにしかない素材を使って、その土地のものをその土地の食べ方で食べてもらうこと。その土地の食文化全体を体感して味わって欲しい。」と訴える。身延山エリアのその場その時にしか経験できない限定的な時間と空間を満喫して欲しいと強調する。

覚林坊では、ゆば料理をお寺でいただく「おてらんち」がお勧めである。旬の食材と湯葉を楽しむ「ゆば御膳」も絶品である。その季節、その時の「旬」の素材を味わうことが最も美味で栄養価も高く、最高の贅沢な食し方であるからに他ならない。湯葉は高タンパク・低カロリーで、コレステロールはゼロ。美容効果が高い大豆イソフラボンを中心に、抗酸化作用のあるサポニン、さまざまなアミノ酸がバランスよく含まれる正に日本由来のスーパーフードである。ベジタリアン・ヴィーガンのファンも多い。

寺町を元気にしたい、その想いから生まれた”寺ビール” (Kakurinbo Temple Beer)がある。宿坊生まれの寺ビールを添えてローカルガストロノミーを味わい尽くしてみよう!

11世紀、西洋の修道院を救った酒事業はよく知られるところである。キリスト教が広がりをみせた中世ヨーロッパで、修道院は信仰を深める宗教的な場としてだけでなく、農作業や開墾といった労働がもたらす生産の場でもあった。ビールの醸造も修道院での生産活動の一部であった。お茶やコーヒーもなく、清潔な水の確保すら困難であった中世ヨーロッパの時代。人々は喉が乾くと薄いビールで水分を補い、疲れがたまると強濃度のビールで英気を養った。彼らにとってビールとは何より「生きる糧」であった。修道院ではみずから飲むビールのほか、訪問客用のビールも醸造していた話は、意外と知られていない史実である。(KIRINサイト「ビールの歴史”修道院とビールの意外な関係“」より抜粋編集)

21世紀の今、日本の寺町に「寺ビール」が新風を吹き込んでいる。身延山と寺町の未来に希望とエールを込めて、Kakurinbo Temple Beerで乾杯!

寺ビールはビーガンビールです。


迎賓館えびす屋は、この地で財を築いたかつての名家「望月家」が擁した築90年の邸宅を今に蘇らせた一棟貸しの宿。山の緑と川に面した開放的なオープンテラス。そして、職人らの意匠が残る純和室と大正文化が漂う洋室。さらに、現代作家によるアート作品の数々が館内を彩っている。新旧の文化が織りなすこの空間で、地元こだわりの食とお酒を心ゆくまで、「愉楽の宿”EBISUYA”」で過ごしていただきたい。

『迎賓館えびす屋』の建物内に『農カフェ』が併設されている。ここでは、地域の食材を使い、ローカルがストロノミーをモットーに本物思考の食事を提供している。店内は季節の移ろいを感じられる庭を見ながら安らかな時間を過ごせる。可愛い色の椅子やカウンターで食事やカフェを楽しむため、遠くから足を運んで来る人も多い。人気メニューの”ほうとうカルボナーラ”、そしてスタッフお手製の『身延カヌレ』が新メニューとして加わり人気を博している。是非、お試しあれ!

OPEN:10:00-17:00 (金土日: 10:00-18:00)

*ほうとうは、山梨県を中心とした地域で作られる郷土料理。文化庁により世代を超えて受け継がれ、未来に残したい食文化に与える「100年フード」の1つに選ばれている。

覚林坊は、お寺であるがゆえに楽しめる写経体験、お経体験、着物体験などを始め、能や歌舞伎、太鼓パフォーマンスを催すなど、日本の文化・歴史・伝統に焦点を当てた今までにない取り組みを企画し、リアルジャパンを提供している。

ここでは、西嶋和紙ワインラベルづくり体験と仏像彫り体験をお伝えしよう。

西嶋和紙でオリジナルワインラベルをつくろう

このワークショップでは書道を書く体験をするだけでなく、書いたものを持ち帰れるアイテムにするため、山梨の名産であるワインのラベルを自分で書いて作ってもらう。そうすることで、”世界に一つだけのワイン”を持ち帰ることができる。西嶋和紙は原料に繊維の短い『故紙』を入れることで、柔らかく美しいにじみが出る。その和紙の特徴を活かした”Zen Painting”に挑戦してみましょう!

仏像彫刻師から教わる彫刻体験

ここでしか教わることができない貴重な体験、二つ目を紹介しよう。教えていただく先生は、仏像彫刻師の青沼信妙(あおぬましんみょう)氏と奥様の青沼颯和(そうわ)さん。最初の作業は、大きな刃物で角を残しながら顔の部分を彫り出す”荒彫り”。次に彫刻刀を使い細かい部分を仕上げる”小造り”、そして最後は全体を研いだ刃物で削り仕上げます。二人の仏師が丁寧に教えてくれますので彫刻刀を始めて持つ人も安心です。もちろん、自身の“作品”は持ち帰ることができます。

日本最高峰 富士山は、標高3,776mの山、日本を代表する独立峰。富士山はその稜線の雄大な美しさから、古の時代よりさまざまな文化や芸術の源として人々の生活に息づいてきた。世界文化遺産である富士山は、周りの神社や登山道も世界遺産に含まれ、構成資産の数は全部で25ヶ所。訪日旅行者にとっての”マストスポット富士山“。空からのヘリコプターによる富士山遊覧は圧巻で、別世界の感動飛行と呼べる。豊富な水をたたえる自然豊かな富士五湖も眺望できる。

身延山宿坊「覚林坊」 女将
樋口 純子

最初にご自身のご紹介をいただけますでしょうか?

覚林坊の女将をしております樋口純子です。海外の皆さんは、Junkと呼んでくれています。私は東京の下町生まれで、美術系の大学を卒業するとともに、身延山へ嫁ぎました。二人の息子と娘が一人います。次男は僧侶をしています。私はこれまでみんなが心を寄せる地域「ふるさと」をより良くしたい、地元の身延をより豊かで活力ある地域にしたいという情熱と想いをもって取り組んできました。お陰様で、その取り組みを評価いただいて「総務省ふるさとづくり大賞」を2022年に受賞しました。また、文化庁が地域に根付いた食文化を掘り起こそうと、地域の伝統料理やスイーツを「100年フード」として認定し、PRを後押しする事業を2021年度に創設していますが、私たちの郷土料理が欧米系のインバウンドの人気を集めたことを評価いただき「未来部門」に選ばれました。山梨県身延町の特産、”あけぼの大豆”を使った納豆です。20年ほど前から本格的に作り始めたもので、地域活性化の一環で「おてらんち」と名付けた精進料理を考案し、ランチメニューの一品に加えたものです。

それは素晴らしいですね。さらに、関東農政局から「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」でも表彰を受けられたと聞いておりますが?

「インナージャーニーを求めて」というコンセプトのもとで、オンリーワンの地域資源(宿坊)での体験、地元農家と連携した特産品(あけぼの大豆)活用のレシピ提供等により来訪者が増加しました。地域と連携し、農泊をキーとしたツアーをオーガナイズし、インバウンドや日本在住外国人等の旅行商品を開発したことに評価をいただいたものです。

お陰様で、山梨県知事表彰に加え、今年はJapan Travel Awardsでもグランプリを受賞し、3月10日には東京アメリカンクラブで表彰式があります。

MINOBUと樋口さんの関わりの経緯について教えてください。
33年前に覚林坊に嫁いできたことがきっかけで身延と出会いました。当時の身延山は毎週信仰教団で溢れていて、大変賑やかな町でした。それが年々寂しくなり、今では店が閉じてしまったり、誰も歩いていない日も多く、これではいけないと、町の発展を考え始めました。

800年の歴史を持つ身延山、その門前町にあった温泉がなくなり、そこで立ち上がったのが樋口さんということですね。その中でクラウドファンディングに挑戦をされ取り組まれたことは何だったのでしょうか?

クラウドファンディングは覚林房の桜テラス建設の時に使いました。以降数回温泉の源泉の復活と保護に少し資金が集まりましたが、コロナで厳しかったです。また、今ちょうど覚林房が「うぶごえ」というクラウドファンデジングで、コロナ後のお寺の復活と改修費を集めているところです。プロモーションをして頑張りたいと思いますので、是非、応援していただけると嬉しいです。

温泉は今年度、観光庁の補助金を活用して10年ぶりに復活させる予定です。この温泉は、エリアで唯一の温泉です。そこに小さなホテル(6室)と、寺ビールのブルワリーを作る予定ですが、そのホテルは各寝室にビールバー付きで、飲み放題とプライベートな外風呂を付ける予定です。私の株主にチェコの女性がいますが、彼女の思いも重ねて、チェコ式を取り入れたブルワリーステイを作ろうと考えています。

樋口さんは今、どういう未来をイメージされていますか?

日本の田舎町からは、若者が減ってしまっています。その要因のひとつに、胸を張ってスキルを活かせる仕事がないことだと考えています。そこで、私たちのプロジェクトがきっかけで、若い方々に田舎に興味を持ってもらい、この町で生まれた子たちが、帰って来られるような企業が生まれたらいいなと考えています。

宿坊「覚林坊」の現状をお聞かせください。

お寺の裏方では、欧米系のワーキングホリデーの方々がたくさん働いてくれています。図らずもこれは、自然な身延山の海外布教だと考えています。また、お客様の約70パーセント以上が、欧米系インバウンドの意識の高いお客様や日本在住のエクスパットの方々が多く来てくださっています。これは、身延山がこういった方々に好まれる、場所であり、ポテンシャルがあるという事だと確信しています。

今後は更にどのようにしていきたいとお考えでしょうか?将来の夢やヴィジョンをお聞かせください。

身延山の門前町が、多国籍の方々で賑わい、世界中のガイドブックに載っている町にしたいです。

それを現実化するためには何が大事で必要とお考えですか?

まず誰にも知られていない田舎町は、知っていただくところからです。単なるプロモーションだけでなく、来ていただいたときにガッカリされないようなホスピタリティーや体験の種類を増やすこと。足(交通機関)の問題などもありますが、それらを効率よく進めるためにも、若いファイトのある仲間が必要だと考えています。

コロナ禍を経て、いよいよインバウンドも全面復活です。外国人旅行者にはどんな滞在や過ごし方、どんな体験をして欲しいとお考えでしょうか?

よくお客様は、身延山はホッとできる、旅の疲れを癒やしてもらえると言っていただけますが、

仏教的なムードの中、様々な仏教文化に紐づく体験を楽しんでいただきたいです。

最近のスペシャルなものとして、身延山と富士山の日本の2大山岳信仰をヘリコプターで楽しめる特別体験があります。空からの絶景を楽しんで欲しいです。

Minobuに来られた外国人の方が「京都は昔の東京の様、ここ身延は本当の昔の日本に来た様だ。」というコメントを残されたと聞きました。それはどういう意味合いで言われ、どのように受け止められましたか?

京都は神社仏閣が多く、外国人の方々でとても賑わっておりエキサイティングな町で、東京の昔にタイムスリップしたようだと言われます。ここ身延山は、本当のディープな日本の昔にたどり着いたようで興味深いと言ってもらえます。

 最後に、樋口さんにとって「真のおもてなし」とは何でしょうか。

私たち田舎の人材では、できる事とできない事があります。しかし、ここにしかない食や体験もあります。できる事を一生懸命真心を込めて、お目にかかれたことを喜び、運命だと思い精一杯ご対応することだと考えています。